価値というものはほかの人から比べられてこそ決まる。人間社会で生きている限りはこんなのは当たり前だ。人間という物、ほかの人間と違うことを嫌う。自然社会では1人で生きていくなど自殺行為と同じだから。実は、一人狼というのはかっこよく表現されることが多いが、自然の中では群れから見放された敗者である場合が多い。

しかし、

我々が生きているのは自然とは反対の世界である。「人間社会」だ。少なくとも、今あなたが画面を通してこの文章を読んでいるのであれば。原始人からすれば今の時代は魔法のようなものであろう。夜、火を使わなくても出歩けるし、狩りをせずとも食べ物を簡単に手に入れることができる。しかも「お金」という数字が書かれた紙切れ1枚でほかの人間を動かすことのできる時代なのだから。これが可能になったのは今、私とあなたが「人間社会」というものに属しているからだ。原始人が生きていた「自然社会」ではできなかったことが魔法で出来るようになった時代なのかもしれない。

「自然社会」という考えは「人間社会」から見れば時代遅れなのであろう。私の知る限り、自然社会の法則に従っている人は、カーストの上の方には行けない。例えば、「群れれば安全」というもの。私としては、今の学生たちを魚の群れに考えればわかりやすい。順位を上げたところ群れる魚だ。まとめて網に捕まって食われるのが運命だ。

もしあなたが学生なのであれば、ほかの人間から見て「異常」になることを行動原理としてほしい。「自分のやりたいことを仕事にすること」にすべての力を注いでほしい。楽しい大学を卒業したところで待っているのは50年間のスーツとネクタイだけだ。